中学校国語科授業リポート
2026年8月18日 更新
国語教科書編集部
2026年5月26日に沖縄県石垣市立大浜中学校で行われた佐久本真希先生の授業(2年生)を取材しました。
授業の全体像
「魅力的な提案をしよう」(2年)は、グループで一つの提案をまとめて、クラスのみんなにプレゼンテーションを行う「話すこと・聞くこと」の教材です。教科書では、「ICT活用の標語を作る」という例が示されていますが、佐久本先生は、あえてテーマを自由にすることで、生徒たちの主体的な工夫を引き出す単元としました。
取材したのは、ちょうどグループごとにプレゼンテーションを行う時間。先生は授業の冒頭で、「どんなプレゼンテーションを心がけたい?」と板書し、一人一人に自分のめあてを立てるよう促します。楽しく和やかな雰囲気の中、スライドの最終確認を始める生徒たちの姿が見られました。
学習の流れ[全5時間]
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第1時 |
提案内容を決める。 |
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第2時 |
話の構成を工夫する。(進行案作成) |
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第3時 |
話の構成を工夫する。(プレゼン練習) |
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第4時 |
プレゼンをする。 |
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第5時 |
振り返る。 |
第4時:プレゼンテーションをし、相互評価をする
プレゼンテーションの評価のポイントを確かめる
各自がめあてを書いた後、聞き手として着目すべきポイントが示された「プレゼンテーション評価シート」が配布されました。先⽣が1項⽬ずつ読み上げながら丁寧に説明し、三つの観点に沿って互いに評価し合うことと、学習の振り返りまでの見通しが共有されました。
本時のようなプレゼンの時間は、話すよりも聞く時間のほうが長いもの。相互評価のポイントが示されたことで、聞き手としての意識と役割を明確にもって学習に臨めます。また、各ポイントは自分たち自身のプレゼンテーションをメタ的に捉える指標にもなるため、このようなシートの配布はとても有効だと感じました。
⽰された「評価のポイント」
- 話の組み⽴て(構成)
・話の内容が分かりやすく整理されているか。
・導⼊(問いかけ)・展開(事実と根拠)・まとめ(ポイント)の順で、筋道が通っているか。 - 資料の作り⽅(スライド作成・グラフの活⽤)
・1枚のスライドに⼀つの事柄をまとめ、⽂字の⼤きさや⾊で強調したい部分を際⽴たせているか。
・グラフを主張の根拠として正しく使えているか。 - 伝え⽅の⼯夫(話し⽅・⾒せ⽅)
・注⽬してほしい部分を⼿で⽰して説明したり、聞き⼿の顔を⾒たりしているか。
・⼤事な⾔葉の前に間を置いたり、抑揚をつけたりして、聞き⼿を飽きさせない⼯夫をしているか。


⽣徒⼀⼈⼀⼈に配布されたプレゼンテーション評価シート
スライド資料を提⽰しながら班で分担して発表する
1班から順に、いよいよプレゼンの始まりです。
緊張からなかなか声が出ない⽣徒もいたようですが、準備したスライドと進⾏案に沿った発表は、いずれも⾒どころ・聞きどころたっぷりでした。
「ストレートネックに気をつけよう」という提案をした班は、その危険性がわかるように模型図を上⼿に使っていました。また、「⽬を守るためにタブレットの使⽤時間を減らそう」という提案をまとめた班は、冒頭で「その⽬、本当に休めてる?」と印象的に問いかける構成の⼯夫をしていました。そのほか、⽣成AIを⽤いてビジュアル性の⾼いスライドを作っていた班など、テーマを⾃分たちで決めたからこそ、話の構成にも資料の作成にも主体的な⼯夫が詰まっていました。


「クリアファイルを使って⾝の回りをきれいにしよう」という提案をした班のスライド
繰り出されるスライドに、聞き⼿の⽣徒からも驚きの声が上がります。
先⽣は教室後⽅で動画撮影しながら、班ごとに短いコメントを投げかけていきました。それが、相互評価のヒントにもなっていたようです。
先⽣からの⾔葉かけ
- 「デメリットに対する対処を考えていたのが説得⼒につながるね。」
- 「メリットとデメリットを対⽐しながら説明していてわかりやすい。」
- 「公的な調査結果を根拠にもってきたところがいいね。」
- 「聞き⼿の様⼦を⾒ながら発表できていました。」
授業を終えて
先生からのひと言
⽣徒の中にプレゼンテーションというものに対するイメージがあまりなかったため、スライドの作り⽅などを確認していくことに少し苦労しました。教科書にある動画資料は、イメージをもたせるために有効でしたが、やはりある程度は個別指導も必要でした。
⽣徒たちは、授業時間外にも⼯夫して写真を撮ったりアンケートを実施したりしてスライドを作り、上⼿に話せていました。⼈の⼼を動かす話し⽅はこの先も使える⼒なので、今後の学習の中でも意識できるように、「つながり」を作って授業していきたいと思います。
編集後記
⾒ている⼤⼈も楽しめるプレゼンの数々でした。⽣徒が教科書を⾶び越えて、主体的に⼯夫している様⼦を⾒るのは嬉しいものです。でも、その実現の⼟台には、普段から⾃由にICT端末を使える環境や、FigJam というオンラインホワイトボードツールを使って単元全体のプロセスやヒントを随時⽣徒と共有できる環境がありました。当たり前のことなのかもしれませんが、先⽣による学びの環境づくりの⼤切さを改めて実感しました。
2026年5⽉26⽇取材
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