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第2回 英語の掲示物をつくるときの注意点は?

小学校英語 お悩み相談室

2017年5月15日 更新

小泉 仁 東京家政大学教授

2020年度から本格化される、小学校での英語教育。先生方のお悩みに、小泉先生がお答えします。

英語掲示のポイントは、(1)さまざまな場所に、(2)計画的に、の二つです。
逆にあまりよくないな、と思うのは、一か所に集中させ、壁の隙間を埋め尽くすように、あれもこれも貼ってしまうことです。単なる壁面装飾になってしまっては、意味がありません。テーマごとに場所を変えるなどして、秩序立てて貼ることを心がけたいものです。

ここの階段には月の名前が、あちらの階段には週の名前が貼ってある……というように場所を決めて、子どもたちにサブリミナルな効果を与えるものになるといいと思います。そしてときどき、単語の順番を入れ替えたりして、子どもが「あれ? 前と何か変わってる?」と気づいたら、もっと意識して掲示を見るようになるかもしれません。

さらに、掲示物にもクイズ要素を入れておくと、子どもたちは興味をもって目にとめますよね。例えば、アルファベットを出すときには順番通りに並べておくだけでなく、「a・c・e」「f・h・l」「g・j・q」といったグループに分けて貼っておく。これは4線上に書いたときに1段だけで済むもの、上2段を使うもの、下2段を使うもの、という分け方ですが、子どもたちは、何かな、と考える。ちなみに、「g・j・q」などは、よく「地下室のある文字」と呼ばれます。この方法は、小文字を教えるときに効果的ですよ。

それから、掲示物にも年間計画があったらいいと思います。校内の掲示物は、子どもたちが英語のつづりになじんでいくためのものですから、単語の選択にも計画性が必要です。
年間計画を立てれば、季節やそのときの学校行事に合わせた掲示もできますよね。例えば、6月だったら雨に関する語を並べたらおもしろいかもしれません。

貼ったきりで放置せずに、こまめに入れ替えたり、子どもたちの反応をみたりしながら、効果的な掲示にしたいですね。

Illustration: 小林マキ

本連載は、教育情報誌「英語教育相談室」にも掲載されています。本誌の内容はこちらから。

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小泉 仁(こいずみ・まさし)

東京家政大学教授。元・文部科学省初等中等教育局教科書調査官。日本児童英語教育学会(JASTEC)会長。一般財団法人語学教育研究所理事。『COLUMBUS 21 ENGLISH COURSE』の編集委員を務める。

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