
空を見上げてみよう
2020年10月13日 更新
山中 勉 宇宙航空エンジニア
山中勉さんが各地で行っている出前授業の様子や、生徒が紡いだ五・七・五の言葉をご紹介します。
「地球人のあいさつ」
たくさんのご応募ありがとうございました
星友のみなさん、こんにちは。お元気ですか? 山中です。
COVID19がはやりはじめてから間もなく1年。世界にはいまだ学校が休業中の子どもたちがたくさんいます。学校に行けない、友達に会えない、顔が見えない、手をつなげない、ハイタッチできない、遠足や修学旅行に行けない、遊びにいけない、スポーツ、合唱、ライブなど私らしさを表現できない。・・・かつてない困難な状況に直面しています。そのような中、どうしたら元気になれるのか? 勇気をもてるのか? 希望をみいだせるのか? プラス思考の考えに転換できるのか? が一人一人に問われています。
まさに言葉の力、国語の力が問われているといえるでしょう。
「空を見上げる」力(連句で人と人とがつながり合う力)が再び問われています。東日本大震災で女川町の中学生がやってみせてくれた「空を見上げる」力を再び信じたい。そういう想いに立ちこのプロジェクトを立ち上げたのが4月のことでした。うれしいことに同じ思いに立つ学校(星友)がどんどん増えていきました。現在このプロジェクトへ参加している星友(学校)は、9の国や地域、50校を超えます。応募いただいた句の数は5千首(万葉集なみ)におよび、交換されたエールは30万文字(源氏物語の3分の1)にもなります(10月1日現在)。
学校が休業中など困難な状況にある星友から、「みんなの連句やエールに、元気・勇気・希望・考えの素がもらえた。」という感謝の言葉も届いています。みんなの作品やエール(ぜひ全ての連句集をご一読ください)にもそのような言葉がたくさんみつかります。
わたしたちは負けてはいません!ワクチン実用化まであと少しともいわれています。世界には学校が休業中の子どもたちがたくさんいます。星友の中にもいます。全ての学校が早期に再開することをみんなで祈りましょう。それまで、「空を見上げる」力をいかんなく発揮して、元気・勇気・希望・考えの素を言葉につむぎ、プレゼントし合い、この難局を切り開いていきましょう。未来への扉をみんなで開きましょう! 大丈夫、わたしたちなら必ずできます! 引き続きおからだを大切に。
星への打ち上げ、間もなく!
星友のみなさんに一日でも早くプレゼントしたいと考え、当初予定を大幅に早め、本年の12月ごろ、みなさんの作品を収録したメモリカードをロケットで星(国際宇宙ステーション)に打ち上げる準備を進めています。(本物の宇宙活動を利用するため、諸般の事情で延期他の可能性もあります。)
応募いただいた全学校の応募作品(ワークシート)をPDF等に変換し、メモリーカードに収録し、ロケットに搭載して国際宇宙ステーションに打ち上げる予定です。
地球の全ての星友をつなぐ星がいよいよ夜空に輝きます! 空を見上げてください。みんなの星を見てください。お気に入りの句や連句を思い出してみてください。きっと勇気・元気・希望・考えが湧いてくることでしょう。それを原動力に前を向いて進んでいっていただけたら嬉しく思います。つらい時、苦しいとき、悲しいときもあるかもしれません。みんなの星を見てください。あなたは決してひとりではありません。この地球には、たくさんの星友がいます。
進捗状況はこのWEBマガジンでお知らせいたします。楽しみにしていてください。打ち上げは、私が現在勤務している(株)IHIの非営利のCSR活動(SDGs4)として実施いたします。
上の句づくりの輪
「地球人のあいさつ」上の句づくりに参加された学校と作品です。
江東区立元加賀小学校(東京都、小6)
福岡雙葉小学校(福岡県、小6)
女川町立女川中学校(宮城県、中1、2、3)
瑞穂町立瑞穂中学校(東京都、中2)
江東区立深川第五中学校(東京都、中3)
戸田市立喜沢中学校(埼玉県、中2)
ヨハネスブルグ日本人学校(南アフリカ、中1)
横濱中華学院(神奈川県、中1)
シャーロット日本語補習学校(USA、中1)
奈良県立ろう学校(奈良県、中1、2、3)
横浜市立美しが丘中学校(神奈川県、中1)
平戸市立生月中学校(長崎県、中1)
板橋区立高島第二中学校(東京都、中2)
志賀町立志賀中学校(石川県、中1)
平戸市立中野中学校(長崎県、中1)
米原市立米原中学校(滋賀県、中1)
松本市立女鳥羽中学校(長野県、中1)
ヒューストン日本語補習校(USA、中1)
綾部市立上林中学校(京都府、中1)
吉川市立吉川中学校(埼玉県、中1)
江東区立大島西中学校(東京都、中1)
北本市立東中学校(埼玉県、中1)
松阪市立西中学校(三重県、中1)
京都市立音羽中学校(京都府、中1)
北本市立東小学校(埼玉県、小5)
スコットランド日本語補習授業校(イギリス、中1)
個人参加(USA、中1)
連句づくりの輪
「地球人のあいさつ」連句創りに参加された学校と作品です。
ハイデルベルク日本語補習授業校(ドイツ、小4〜小6、中1、高1)
山中勉(やまなか・つとむ)
1958年、東京都生まれ。宇宙航空システムエンジニア。(株)IHIエアロスペースにて宇宙航空事業や国際宇宙ステーション(ISS)の一般利用を発案し実証。宇宙航空研究開発機構(JAXA)主幹研究員、日本宇宙フォーラム主任研究員を経て、2013年より(株)IHIで社会貢献活動としてISSを利用した学校授業を共創している。
東日本大震災では宮城県女川町や各地の学校での出前授業を行い、五・七・五の言葉などの作品をISSに届ける活動を続けている。