みつむら web magazine

第24回 雨上がり 虹の向こうで 君笑う

空を見上げてみよう

2023年2月1日 更新

山中 勉 宇宙航空エンジニア

山中勉さんが各地で行っている出前授業の様子や、生徒が紡いだ五・七・五の言葉をご紹介します。

雨上がり 虹の向こうで 君笑う

雨上がり 虹の向こうで 君笑う
コアラ(アデレード日本語補習授業校 教員)

虹が繋いだ 私の笑顔
ゆきだるま(愛南町立城辺中学校、中2)


暗い空 雨がやめば にじが出る
ミスターポテト(アデレード日本語補習授業校、中3)

きっといつかは 晴れる時が来る
鉄火丼右大臣(瑞穂町立瑞穂中学校、中3)

「地球人の教室」を創りたい!

星友のみなさん、こんにちは。お元気ですか? IHIの山中です。

宇宙連句の上の句の作者と、下の句の作者が、交信できる場を、子どもたちにプレゼントできたら、ステキだと思いませんか?
この想いを共有する国内外の学校(星友)と、「地球人の教室」創りに向けた探究(共創)を始めています。

今回は、アデレード日本語補習授業校の星友(上の句の作者)/瑞穂町立瑞穂中学校の星友(下の句の作者)/愛南町立城辺中学校の星友(下の句の作者)との、探究(共創)事例をご紹介いたします。

DXを活用したソリューション(仮説と実証)

「地球人の教室」を創るにあたり、直面した課題は、国、時刻、曜日(開校日)の違いでした。

これらの違いを越えるためには、どうしたらよいか?考案したソリューション(仮説)は、DXの活用でした。具体的には、各学校へオンライン出前授業/ゼミを行うとともに、ビデオメッセージを創り、学校を越えて上の句の作者と下の句の作者とを繋いでいくという手法です。(「駅伝方式」)

具体的に、時系列で説明します。まず下の句を考えてくれる学校(瑞穂町立瑞穂中学校、愛南町立城辺中学校)へ、それぞれオンライン出前ゼミを行い、ビデオメッセージAを収録しました。(下の句の作者から上の句の作者へ宛てたメッセージ)

その後で、上の句を考えてくれた学校(アデレード日本語補習授業校)へオンライン出前授業し、収録したビデオメッセージAを上映ました。

そして、ビデオメッセージBを収録しました。(上の句の作者から下の句をつけてくれた作者へのメッセージ、山中との質疑応答)

最後に、下の句をつけて学校にオンライン出前授業を行い、ビデオメッセージAとBを上映しました。下の句づくりへのモチベーションを高めてもらい、下の句づくりに挑戦してもらいました。

成果:「地球人の笑顔」

冒頭でご紹介した、宇宙連句と組み写真は、この探究(共創)で生まれたものです。
組写真は、創作したビデオメッセージA、Bのヒトコマです。宇宙連句も、組写真も、トビキリステキな「笑顔」や「表情」が満開です。「地球人の教室」を創ると、「地球人の笑顔」が開花することがわかりました。
今年も、世界中の星友のみなさんと、「地球人の教室」創りを進め、「地球人の笑顔」でこの星を明るくして行きたいと思います。皆様のご参加をお待ちしております。

謝辞

オンライン出前ゼミ・授業は、アデレード日本語補習授業校のエスマイルザデ 泉 先生、瑞穂町立瑞穂中学校の池谷 芳彦校長 先生、石川 旭 先生、愛南町立城辺中学校の大西 由美 先生のご協力を賜りました。感謝申し上げます。

山中勉(やまなか・つとむ)

1958年、東京都生まれ。宇宙航空システムエンジニア。(株)IHIエアロスペースにて宇宙航空事業や国際宇宙ステーション(ISS)の一般利用を発案し実証。宇宙航空研究開発機構(JAXA)主幹研究員、日本宇宙フォーラム主任研究員を経て、2013年より(株)IHIで社会貢献活動としてISSを利用した学校授業を共創している。
東日本大震災では宮城県女川町や各地の学校での出前授業を行い、五・七・五の言葉などの作品をISSに届ける活動を続けている。NASA主催の会議で公表した資料は、こちらから

平成28年度版 中学校国語教科書1年所収「空を見上げて」

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