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金原瑞人編集長への9つの質問!

「飛ぶ教室」のご紹介

2016年1月26日 更新

「飛ぶ教室」編集部 光村図書出版

児童文学の総合誌「飛ぶ教室」に関連した企画をご紹介していきます。

金原瑞人編集長への9つの質問!

ついに「飛ぶ教室」44号が完成。編集長を務めてくださった翻訳家の金原瑞人さんに、今回の編集について、また詩・短歌・俳句の関わりについて聞いてみました。

画像、44号表紙・インタビュー風景
左/金原瑞人編集長号(「飛ぶ教室」44号)は、1月25日発売! 右/本誌のインタビュー収録中の金原編集長。

Q1:「飛ぶ教室」の編集長は、いかがでしたか?

金原 毎号でもやりたいです。

Q2:実際に完成した本を手にされて思ったことは?

金原 もう死んでもいいです……1週間か2週間くらい。

Q3:そもそも、金原編集長と詩、短歌、俳句との出会いは?

金原 中学生の頃。じつは暗い中学生で、好きな詩や短歌をこっそり暗記してました。ついでにいっておくと、気に入った作品をウォーターマンの万年筆でスカイブルーのインクを使って、ノートに書いてました(恥ずかしいので、だれにもいってませんが……あ、いっちゃいましたね)。

Q4:今回、9人の方にご登場いただきました。9人に共通点みたいなものはありますか?

金原 若さや勢いを感じさせるもの、今までにない何かを感じさせるもの、あるいはそう錯覚させてくれるもの、(ぼくにとって)おもしろいもの、新鮮なもの、ほかの人に読ませたくなる(けど、本当は、自分で独り占めしておきたい)もの、中高生にだってこの作品の面白さやすごさはわかるぜ、いや、中高生だって、読むと切なくなるぜ、叫びたくなるぜ……そんな「もの」にあふれている作品を書いてくれる人たちをさがしてみました。

Q5:編集中の印象的な出来事を教えてください。

金原 みなさんに新作をお願いしたのですが、見事に、ぼくの期待を裏切って、ぼくの思ってもなかったようなものを送ってきてくださいました。もちろん、各人の本来の「らしさ」はしっかりあるのですが、「あれ、依頼の趣旨とかなり違うよね!」といいたい! だけど、それがすごくおもしろくて、魅力的で、まいったな、という感じです。期待って、いい意味で裏切られると快感なんだなと実感しました。

若い人々の作品は、明治・大正・昭和の詩、短歌、俳句とは、どこかで切れてますね。もちろん、それぞれに好きな過去の詩人、歌人、俳人はいるのでしょうが、師としてあがめているというよりは、親しい先輩のように感じているのかもしれません。

インタビューさせていただいた方、全員が、それぞれの体験や、それぞれの作品や、創作に対する姿勢などを見事に言語化して話してくださったことも印象的でした。 ひとりかふたりは、「作品が語ってくれるんだから、おれは何もしゃべらなくていいだろう」という方がいらっしゃるかと思ったのですが、なんのなんの!

今回、紙面に制限があり、斉藤斎藤さん、藤本玲未さんにはインタビューできなかったのが、とても残念です。ここでその理由をいっておきます。

じつは、ほかの方々とは、歌集を通じて、あるいは書評を通じて、なんらかの形で触れたことがあったのですが、斉藤斎藤さんとは接点がありませんでした(東直子さんの担当している短歌のラジオ番組で、「鳴くだけの事ぁ鳴いたらちからをぬいてあおむけに落ちてゆく蝉ナイス」という歌を、好きな歌として朗読したことはあったのですが、ご本人に伝わっているかどうか不明だったし)。斉藤斎藤さんの短歌は、じつに刺激的です。

それから藤本玲未さんは、ぼくの大学のゼミにもぐりこんでいた人なので、ある程度知ってるし、いまさらインタビューもどうかな、わざとらしいなと思ったので、省略させていただきました。ごめん。

番外編として、このおふたりにインタビューして、Webに載せるとか、だめですか?

Q6:インタビューでは、相手の話のディテールが気になったそうですね。

金原 そうそう、小説好きな人間にとってディテールは重要です。詩人、歌人、俳人はそこをすっ飛ばしたり、蹴っ飛ばしたり、削ったり、凝縮したりして、作品を作るでしょう。だから、その部分を展開させるとどうなるんだろうと、そこに興味がありました。

Q7:今回の「飛ぶ教室」の特集を、どんな人に読んでほしいですか?

金原 日本人全員。世界中の日本語の読める人たち全員。

Q8:金原編集長にとって、詩や短歌、俳句とは?

金原 ぼくにとって、小説はある意味、愛しい砂漠です。詩や短歌や俳句はオアシスです。

Q9:編集長として、最後にひと言!

金原 「飛ぶ教室」の編集長へ。第2回の企画、いつでも受けます!

飛ぶ教室 第44号(2016年冬)

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