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小学校や中学校では、筆記体を学習しないのですか。

子どもと保護者の「英語Q&A」

2024年3月12日 更新

光村図書 校閲課

小学校では、3年生から英語の授業が始まっています。保護者の方が、お子さんの学習を見てあげるとき、自分が学んだ英語とちょっと違うところがあったり、子どもの素朴な疑問に答えるのが難しいことがあったりするかもしれません。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、小・中学校で学ぶ英語に関する保護者の方のさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。

小学校や中学校では、筆記体を学習しないのですか。

光村図書の中学校英語教科書『Here We Go!』の巻末に筆記体が載っていますが、中学校学習指導要領によると、筆記体を読んだり書いたりすることは必須の学習事項ではありません。
中学校外国語の学習指導要領には、次のように記載されています。

文字指導に当たっては,生徒の学習負担にも配慮しながら筆記体を指導することもできることに留意すること。

中学校の3年間に、学習の進捗状況や授業内容に合わせて、筆記体の読み書きに触れることがあるかもしれませんが、必須の学習項目ではないため、触れないクラスや学校も多いと考えられます。
文字も、音声の言語と同様に、相手に読んでもらうための、コミュニケーションの道具です。例えば、試験の解答用紙に答えを書く際にも、採点者が読み取りやすいようにブロック体で書くことが望ましいのです。そのような訳で、まずは、読んでもらうための書体として、ブロック体で正しく書けるようになることを、学習指導要領では優先しているのです。


筆記体は、ペンとインクで英語を書いていた時代の書体です。現代の出版物やインターネットで筆記体を見ることはまれになりました。
筆記体のメリットは、文字をつなげるので速く書けることです。筆記体を書くことに慣れていれば、試験中にメモなどを素早く書き留めるときに使えます。ただし、筆記体は速く書くために、個人のクセが出やすい書体でもあるので、「自己流」にならないよう、注意が必要です 。

Illustration:  Mimei Umimachi

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