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「5年ぶり」 前回は何年前?

子どもと大人の「ことばQ&A」

2024年7月4日 更新

光村図書 校閲課

ふだん何気なく使っている言葉も、ちょっと立ち止まって考えてみたら、いろいろおもしろいところが見えてきます。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、言葉をめぐるさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。

「~年ぶり」の使い方

この夏に開かれるオリンピック夏季大会。7月26日の開会式を前に、日本選手の金メダル獲得への期待は大きく膨らんでいます。オリンピックがパリで開催されるのは、なんと100年ぶりだそうです。

さて、新聞などで、「5年ぶり7回目の優勝!」のような表現を見かけることがあるのではないでしょうか。「3日ぶりの食事」「10年ぶりの再会」など、「~ぶり」は、さまざまな機会に使われています。

では、「5年ぶりの優勝」と言うとき、前回優勝したのは何年前になるのでしょうか。 
「~ぶり」は時間を表す語に付いて、ある出来事があってから、再び同じことが起こるまでに、ほぼまるまるその時間がたっていることを表します。したがって、「5年ぶりに優勝した」というときは、前回優勝してから「ほぼ5年がたっている」、つまり、今が2024年だとすると、前回優勝したのは5年前の2019年ということになります。
また、「5分ぶりの再会」と普通は言わないように、「~ぶり」は短い時間には使われず、ある程度の時間を示す語の後に付くことが一般的です。ただし、この時間の長さは主観的なものでもあり、出来事によっても変わります。

ちなみに前回のパリでのオリンピックの開催は1924年。日本では阪神甲子園球場が竣工した年でした。

Illustration:  Mimei Umimachi

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