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can’t と cannot、どっちを使う?

子どもと保護者の「英語Q&A」

2024年8月8日 更新

光村図書 校閲課

保護者の方が、お子さんの学習を見てあげるとき、自分が学んだ英語とちょっと違うところがあったり、子どもの素朴な疑問に答えるのが難しいことがあったりするかもしれません。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、小・中学校で学ぶ英語に関する保護者の方のさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。

can’t と cannot は意味や使い方が違うのでしょうか。

can’t と cannot は、いずれも助動詞 can の否定形です。また、can’t は cannot の短縮形です。意味や働きは同じですが、使われる場面や状況が少し異なる場合があります。

話し言葉やくだけた書き言葉など、インフォーマルな場面では、can’t が多く使われます。ただし話し言葉でも、強調のためにcannotが使われることもあります。正式な文章では、cannot がよく使われます。

話し言葉 can’tが多い 強調の場合cannotも
くだけた書き言葉
正式な書き言葉 cannotが多い

実際に中学校の英語教科書『Here We Go!』(令和3年度版)の中ではどのように使われているか見てみましょう。

① I can’t play the drums, but I can play the piano. (1年p.34)

② I can’t wait. (1年p.64)

③ I can’t believe it. (2年p.36)

④ He didn’t have any job before because he cannot move his body. (3年p.62)

⑤ I cannot write anymore. (3年p.133)

①②③は会話文で、いずれも can’t が使われています。
④はロボットについての説明文の中で使われています。
⑤は伝記の中の、杉原千畝の言葉です。もうこれ以上ビザを書くことができないと謝る場面で、cannot が使われ強調されていることがわかります。

Illustration:  Mimei Umimachi

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