うれしい学び
2024年1月18日 更新
かおりんごむし イラストレーター
イラストレーターのかおりんごむしさんが、日常の中で目にした二人のお子さんの“学びの姿”をご紹介します。
[番外編]台所
今回は番外編として、私の子ども時代のお話です。
私が小学校高学年の頃、母の留守中に たまごうどんを作りました。
母から作り方を教えてもらったこともなく、見よう見まねで作った たまごうどん。
入れた調味料はしょうゆのみだったので、水としょうゆの味がするだけで、おいしいとはいえない味でびっくりしたことを覚えています。
家にいた祖母や姉に「ちょっとちょうだい」なんて言われたら大変だなと思い、誰もいない廊下で一人で食べました。
帰ってきた母にすぐに報告すると、母は少し笑って「がんばったやん」と褒めてくれました。
失敗した「恥ずかしい」気持ちはなくなって、「作ってよかった」に変わりました。
実は、母に「一人で作った! 上手にできた!」と報告して、褒めてほしかったんです。
当時の私の本音も思い出します。
今、私自身、母になって思うのは、台所はついつい「入ったらだめ!」と言ってしまいがちな場所だということです。
それなのに、小学生の私には「作ってみよう!」と思える場所でした。
私にとって身近な場所になっていたことに、母のひろい、大きな愛を感じました。
母よりうるさく言ってしまう私ですが、母の台所を見習って、「うれしい学び」ができる場所にしたいと思っています。
この連載が始まって、うれしいことにもうすぐ1年になります。
子どもの頃の私の「うれしい学び」が、子どもたちにつながっているのを感じます。
かおりんごむし
イラストレーター
京都府在住。息子、娘、夫との4人暮らし。日々のほっこり&小さな幸せを漫画にして、ブログ・SNSやWeb記事などで公開している。創作のテーマは「1日1日大切に過ごしたい」。
ブログ:かおりんごむしのほっこりブログInstagram:@kaoringomushi
Twitter:@kaoringomushi