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青山先生の国語教室

青山 由紀

筑波大学附属小学校教諭

子どものモチベーションをアップさせる,国語の授業アイデアをご紹介します。

青山由紀(あおやま・ゆき)

東京都生まれ。筑波大学大学院修士課程修了。日本国語教育学会常任理事。全国国語授業研究会常任理事。著書に『古典が好きになる』(光村図書),『板書 きれいで読みやすい字を書くコツ』(ナツメ社/樋口咲子共著),『子どもを国語好きにする授業アイデア』(学事出版)などがある。光村図書小学校『国語』教科書編集委員を務める。

第6回 漢字が好きになる―中・高学年編(1)―

2017.05.18

前回は,低学年におすすめの漢字学習のアイデアをご紹介しました。今回は,中・高学年についてお伝えいたします。

漢字ビンゴ

子どもたちが大好きなビンゴゲームを使った漢字学習です。例1のように,縦横3マス(全部で9マス)のビンゴカードを用意します(国語のノートのマス目を利用すれば,外枠を書くだけでカードができあがります)。お題の出し方はいろいろありますが,例1で示しているのは「同じ読み方の漢字ビンゴ」です。子どもたち自身がビンゴカードを作ることが大切なので,ここでは,作り方を中心にご紹介します。

漢字ビンゴ

例1 同じ読み方の漢字「コウ」をお題にしたビンゴカード

カードの作り方

  1. 9マスの紙を用意する。
  2. お題(「○○」と読む漢字)を出す。初めは,「セイ」「コウ」など同音異字が多いものがおすすめです。
  3. 制限時間を伝える(クラスの状況によって,3~5分程度)。

ルール)

  • 教科書や辞典は見ない。
  • 同じ文字は使わない。
  • 既習漢字のみを使うこと(未習漢字も入れてしまうとビンゴしにくくなります)。

まずは上記のとおりにやってみて,何マス埋めることができたか確認します。そして,マスを埋められない子どものために,見つけ方のコツを伝える場を設けます。9マスすべて埋められた子どもに,どうやって漢字を見つけたかきいてみてもよいですし,以下のコツを教師が伝えてもいいでしょう。

見つけ方のコツ)

  • 漢字を一つ見つけたら,部分を変えてみる。

 「青」→「晴」「清」「静」「精」

 「校」→「交」「効」

このようなことをやっているうちに,「同じ部分をもつ漢字は,読み方が同じ場合がある」「つくりが音を表しているから,へんを変えてみよう」など,漢字のへんやつくりへの意識を高めることができます。

部首の意味を意識させるには,部首そのものをお題にするとよいでしょう。「さんずいのつく漢字(海,池,港)」「きへんのつく漢字(林,板,柱)」などの漢字を集める中で,部首の意味に気づくことができます。

高学年になると,調べ学習などでさまざまな本や新聞を読むことになります。未習漢字に出会ったときに,きっとこれらの知識が生かせるでしょう。とりあえず「つくり」の読みで辞書を引いたり,さんずいだったら,水に関係するのかなと想像してみたりするのです。漢字ビンゴは,ゲームのようで,実は本質的な学習になっているといえます。また,実際の生活場面にも活用できることが大きな利点です。

漢字ビンゴは,ほかにもさまざまなお題が考えられます。

漢字の画数の数え方がまだ身についていない低学年の子どもには,「画数ビンゴ」がおすすめです。「四画の漢字」「五画の漢字」など,総画数をお題にします。ゲームをやりながら,画数だけでなく,筆順の確認もできます。

ほかには,品詞への意識を促すビンゴもあります。送り仮名に「い」「しい」がつく漢字をお題にすると,形容詞を集めることができます。何も見ないで9マス埋めるとなると,難しいと感じる子どももいるでしょう。そんなときは,次のような見つけ方のコツを伝えます。

見つけ方のコツ)

  • 「~い」「~しい」の後に,「犬」や「人」をつけて考える

 白い犬,黒い犬,美しい人,優しい人

  • 対で考える

 強い⇔弱い,細い⇔太い


さて,いよいよビンゴゲームの開始ですが,ゲーム前に行うとよいことをもう一つお伝えします。

ビンゴカードのマスがすべて埋まらないと,ビンゴになる確率が低くなってしまうので,ゲーム前に,前後左右の座席の人(立ち歩かない範囲)と情報交換をして,カードを完成させる時間を30秒~1分ほどとります。カードが完成していない子どもへの助けになりますし,ここで交流すると,見つけ方のコツに関する発言を子どもから拾うことができるからです。

全員のカードができあがったら,ビンゴゲームをどうぞ楽しんでください。(談)

次回は,中・高学年に適した漢字学習のアイデアをもう一つご紹介します。