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「小春日和」とは、どんな時期のどんな天候のことをいうのですか。

子どもと大人の「ことばQ&A」

2023年11月8日 更新

光村図書 校閲課

ふだん何気なく使っている言葉も、ちょっと立ち止まって考えてみたら、いろいろおもしろいところが見えてきます。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、言葉をめぐるさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。

「小春日和」とは、どんな時期のどんな天候のことをいうのですか。

11月(初冬)の季語には、「初時雨」「初霜」など、冬を感じさせるものがたくさんあります。伝統的な季語が旧暦に基づくものとはいえ、今年はまだ夏日となるところもあり、季節感のずれを実感しますね。

「小春」という言葉も11月の季語です。
「小春日和」は、「晩秋から初冬の時期に、春のように暖かく穏やかに晴れる日」に対して使われます。「小春」は旧暦10月の別称であり、これは現在でいうと、ほぼ11月から12月上旬の時期にあたります。この時期に、しばしば春に似た温暖な晴天があることから、「小春」とよばれるようになりました。

なお、平成26年度の文化庁「国語に関する世論調査」に「小春日和」の意味をたずねる設問がありました。結果としては、本来の意味である「初冬の頃の、穏やかで暖かな天気」を選択した人がいちばん多かったのですが(51.7%)、本来の意味とは違う「春先の頃の、穏やかで暖かな天気」と回答した人も少なくありませんでした(41.7%)。

このような誤用を避けるために、旧暦10月はかつて「小春」という別称であったということを覚えておくとよいでしょう。

Illustration:  Mimei Umimachi

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