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美術の授業
お悩み相談室

上野 行一

元高知大学大学院教授

授業のお悩み,一人で抱え込んではいませんか? 美術教育の専門家,上野先生が温かく受け止めます。

上野 行一 (うえの・こういち)

「美術による学び研究会」会長。高知大学大学院教育学研究科教授,帝京科学大学教授を務める。『私の中の自由な美術』,『風神雷神はなぜ笑っているのか』(光村図書)など著書多数。NHK高校講座「芸術(美術Ⅰ)」を監修。光村図書中学校「美術」教科書の著作者でもある。

第7回 完成した生徒作品,どう展示したらよい?

2020.3.19

悩みを相談する先生のイラスト

A 展示は学習活動の一環です。目的を明確にし,効果的な方法や場所で実施しましょう。

学校で行う展示は教育の一環なので,コンクールの入選作品展のようにならないよう気をつけましょう。生徒相互の鑑賞の活動が促され,生徒が学習を振り返り,まとめる場として設定することが大切です。

学習の一環ですから全員の作品を展示するのが基本です。ただし,自信のない生徒がいる場合はよく話を聞き,無理に展示することは避けます(そういう生徒が出ないような授業を目ざしたいものです)。

作品は詰めすぎずゆったりと展示すると一点一点に目がいくようになり、学び合いも生まれます。場所が狭ければ入れ替え制にしましょう。

作品だけではなく,作者の言葉を添えることも大切です。作品に込めた思いや表現したかったこと,学習の中での自分の考えの変容や学んだこと等があれば,見る人は作品の出来ばえだけで評価するのではなく,学習活動の全体から作品の価値を見出すことができるでしょう。授業の目的や制作過程の写真や動画を一緒に展示すれば,さらに効果的です。

公民館や図書館等の学校外の場所で展示する場合は,作者の言葉に加え,授業の目的に沿った「作品の見方」を掲示し,作品に込めた生徒の思いや価値観等が見えてくるようにすることも大切です。校外展が作品を通して生徒を理解する場となり,学校と地域を結ぶきっかけともなります。

生徒の作品展示に関する,山崎正明先生(北翔大学教授)による以下の記事も参考にご覧ください。

【山崎先生の授業アイデア 第5回】 作品展示で大事にしたいこと

【山崎先生の授業アイデア 第6回】 作品展示のポイント

本連載は,これで最終回となります。ご愛読ありがとうございました。

Illustration: 北村人

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光村図書出版 広報課 「美術の授業 お悩み相談室」係
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