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2年「短歌の創作」(山下幸介先生)

中学校国語科授業リポート

2026年6月8日 更新

国語教科書編集部

2025年7月18日に三鷹市立第二中学校で行われた山下幸介先生の授業(2年生全クラス)を取材しました。

授業の全体像

取材当日はなんと終業式。夏休み直前のこの日、2年生教室前の廊下は異様な熱気に包まれていました。
廊下に貼り出されていたのは、180枚を超える色とりどりの短冊。短冊には短歌が1首ずつ書かれています。
この日までに生徒の皆さんは、春夏秋冬それぞれの季節について3首、合計12首の短歌を創作してきました。
今日の歌会では、そこに自由なテーマで創作した短歌も加えた自作の中から、選りすぐりの1首を提出し、投票し合います。

歌会の流れ

①ルール説明(10分)

各教室にオンラインで映像をつなぎ、山下先生からルールの説明。

②短歌の鑑賞・投票(30分)

廊下に貼り出された短歌を鑑賞する。鑑賞後、気に入った3首に投票し、コメントを記入する。

③コメント記入(20分)

1人1首ずつランダムに割り当てられた短歌に対して、コメントを記入する。

④表彰(15分)

得票数の多かった順に、上位3位まで表彰。

  • 終業式後のホームルームの時間も一部使い、授業時間を拡大して行われました。

②短歌の鑑賞・投票

歌人としてフェアに!

山下先生は会の冒頭、自分の歌に投票するよう働きかけない、自分の歌に投票しないなど、生徒たちに「歌人としてフェア」な行動を求めました。今回の歌会では、掲示する短冊の文字の大きさ・行間を指定するなど、鑑賞・投票の匿名性・公平性を保つための細やかな配慮がなされています。
歌会を楽しく実りある場にしようとする先生の姿勢が伝わったのか、投票先を考える時間には、歌人さながらの真剣な表情でお互いの作品に向き合っている生徒の姿が見られました。

廊下に貼り出された180首を超える短歌。 画像
廊下に貼り出された180首を超える短歌。どれも思いの詰まった力作です。

ひととおり鑑賞を終えたら、投票タイム。投票は各自のタブレット端末で行います。
時間がかかりそうな集計作業も、ICTを活用することで即時的に行われていました。山下先生が集計結果を確認している間、生徒たちには1人1枚ずつ、他の生徒の短歌のコピーが配られます。全ての生徒が自分の短歌に対して感想をもらえるように、互いにコメントをし合う時間です。
最後に、集計結果が出たところで、表彰式を行いました。

授業を終えて

先生からのひと言

今回の短歌創作に向けては、生徒が情景や心情を工夫して表現できるように、時間をかけて学習を進めてきました。
まず、短歌の授業の前には「枕草子」を扱い、季節を感じる景色や出来事を捉える視点、その描写の工夫について考えました。このことを、季節をテーマとした短歌の創作につなげています。なかには、「枕草子」の表現を参考に、「なり」「けれ」といった古語を用いる生徒も現れました。
また、創作の過程では、教科書の「短歌に親しむ」「短歌を味わう」を紹介しました。擬音語や会話調など、短歌に用いられる多様な表現に気づかせることで、表現の幅が広がっていきました。
評価は、以上のことを踏まえつつ、「表現技法が使われているか」「季節(テーマ)と内容が合っているか」「独自性があるか」といった観点から行いました。

編集後記

参加した編集部も、生徒の皆さんの短歌を鑑賞し、じっくり味わうことができました。みずみずしい感性で捉えた季節の情景や心情の描写。教室、部活動、帰り道といった中学生の日常を想起させる語彙。一人一人の歌には、かけがえのない中学校生活で得た実感が託されているように思いました。今回の訪問は、その一端に触れる貴重な機会になったと感じています。

2025年7月18日取材
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