私の美術室
2018年9月5日 更新
全国の中学校・高等学校の先生に、美術室の工夫についてうかがいました。
360度写真で、実際に美術室を訪れたような臨場感が味わえます。
更科結希先生(北海道教育大学附属釧路義務教育学校後期課程)
※学校名は撮影当時のものです。
アイデアが生まれる美術室を目ざしています。生徒の発想が広がるように、使ってみたくなるような素材や用具、資料を手に取りやすい場所に置いています。
また私自身、何もない真っ白な壁を眺めていると、いいアイデアが思い浮ぶので、美術室の壁は白くしています。雑然とした空間よりもシンプルで整理された場所の方が、ひらめきが生まれると思います。生徒には真っ白な壁をキャンバスに見立てて、自由に発想してほしいです。
ここがポイント
校舎の改修工事の際に、美術室を一からデザインし直したそう。縦に長かった教室を、黒板を移動して横長の教室にした。「生徒の顔がよく見えて、一体感をもって授業ができます」と更科先生。
教室の壁。この日は錯視を説明するために、マスキングテープを貼っていたが、基本的に掲示物は貼らないようにしている。シンプルな空間にすることも、生徒の発想を広げる工夫の一つ。
ワゴンには制作に使う用具を学年ごとにまとめている。生徒たちは自分で必要なものをワゴンから見つけて使う。こうした工夫によって、生徒は多くの用具に触れ、自分で使いこなす力を身につけられる。
使用頻度の高いはさみやのり、カッターなどはワゴンの一番上に置いている。授業前に必要な用具を取りに行くことが習慣化されているため、授業中に用具を配る時間を節約できる。
さまざまな素材を置いているテーブル。「素材に触れることで、ひらめく生徒もいます」。この日は授業の内容に合わせて、木片や皮ひも、千代紙などが並べられていた。
教室後方にあるアイデアスペース。発想に役立つ資料とともに、先生が集めたデザインチェアが並んでいる。授業中、生徒がリラックスした状態で資料を眺め、発想を広げられるようにデザインされている。
美術室のマーク。雑貨屋で見つけたアルファベットシールを使っている。「美術室は学校の中にありながら学校でないような、あこがれの空間にしたいので、いろんな場所でインテリアグッズを探しています」。
美術室前の階段には、生徒たちがつくった作品(向かって左)を展示している。通りかかった1年生が「2年生すごくない?!」と言いながら作品を鑑賞していた。