読書Q&A 学校図書館(理論編)
2015年1月1日 更新
赤木かん子 児童文学評論家
どうすれば子どもたちが集まる図書館になるのでしょう。本のそろえ方や整理のしかたなど、学校図書館の作り方や運営方法に関する悩みにお答えします。
A(回答)
新学期におすすめの一年間定期購読する雑誌をご紹介します。雑誌は書籍代ではなく消耗品もしくは雑誌代で買えるはずなので、使わないともったいないですよ。
「ナショナルジオグラフイック日本版」(日経ナショナルジオグラフィック社)
写真の美しさには定評があります。もちろん外国でつくっているので世界の情報が得られるし、ここしばらくは”地球の悲鳴”シリーズをやっているので、環境、生態系などの記事満載です。バックナンバーを見て書籍代としてまとめて買ってもいいし、一年たったあとは書籍として受け入れて、それぞれの棚に分類してください。
「月刊ポプラディア 」(ポプラ社)
こちらは社会で使うテーマが多いです。一冊一テーマ。バックナンバーの分は合本になっているのでそちらを買えば、ばらしても使えます。調べ学習をまとめるときはこう書くんだよ、の見本みたいなもんです。今までのバックナンバーをみて、今年やりたいテーマがあったら見ておくといいです。ハードカバーの本に比べたら安いので、六冊買ってグループ学習にも使えます。
「サンチャイルド・ビッグサイエンス 」(チャイルド本社)
写真が大きくて美しい! 低学年用雑誌のイチオシです。絵本は広げるとサイズが倍になりますから、ちょっとしたビックブック並みです。
いまこのシリーズのなかからハードカバーの絵本をつくりはじめましたが、そちらも買いです。
まとめ
- 雑誌用のお金があるならちゃんと使いましょう!
- 物語の雑誌を何冊も買うのは無駄です。買っても一冊だよ。
- サイエンス系の新しい情報はなかなか本になりません。あるのはマンガと雑誌のなかです。
- 雑誌代がなかったら書籍代でまとめ買いして本として受け入れ、棚に置いてください。
- 子どもに読まれる、使えるものを買いましょう。
- お金があるなら週刊「そーなんだ」(DeAGOSTINI)などもいいですよ。
赤木かん子
児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。