読書Q&A 学校図書館(理論編)
2015年1月1日 更新
赤木かん子 児童文学評論家
どうすれば子どもたちが集まる図書館になるのでしょう。本のそろえ方や整理のしかたなど、学校図書館の作り方や運営方法に関する悩みにお答えします。
A(回答)
その学校の子どもたちがどんな状態か、と予算がいくらあるのかにもよりますが…というのは、漫画はエネルギーが高く、人を解放します。安定している小学校だったら、まずは『ドラえもん』(藤子・F・不二雄)45巻(白いシリーズです)と『ドラゴンボール』(鳥山明)42巻(これも白いシリーズを普通は入れます。)それと『名探偵コナン』(青山剛昌)67巻ですね。あとは野球漫画の定番『キャプテン』と『プレイボール』(ちばあきお)…ただし、これは今本が手に入るかどうか、微妙…。それと、今はやりの『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子)…ただいま19巻まででています。
ここまででだいたい、150冊くらいかな。
基本的には、生徒さんの人数分、200人いたら200冊買いますが、800人いるからといって800冊は買えないでしょう。
あとは定番手塚治虫の『ブラック・ジャック』…これは、小さい新書版サイズの方がおもしろいのですが、学校的にはハードカバーかなあ。あとは1冊っきりしかありませんが、楳図かずおの『へび少女』あたりでしょうか。この漫画の人気は衰えませんね。
いくら漫画でも、今はやらないものは読まれませんので、ご注意を。場所によっては『有閑倶楽部』(一条ゆかり)も受けますが、基本的には子どもたちに何がほしいか、聞くのがいちばんですよ。
運営編はかなりたくさんあるのでまた後日。
無線綴じの漫画は、学校図書館に入れる前にきちんと装備したほうがいいので、実技編の「本の補修、修理について」を一応見ておいてください。
赤木かん子
児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。