子どもと保護者の「英語Q&A」
2023年10月23日 更新
光村図書 校閲課
保護者の方が、お子さんの学習を見てあげるとき、自分が学んだ英語とちょっと違うところがあったり、子どもの素朴な疑問に答えるのが難しいことがあったりするかもしれません。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、小・中学校で学ぶ英語に関する保護者の方のさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。
教科書の中で文字が斜めになっている語は、どういう意味があるのですか。
光村図書の英語教科書では、文字を斜めにしているものは大きく分けて3種類あります。
① 本文のト書き(本文前の状況説明) 例:On the phone: など
② 本や作品のタイトル 例:The Tale of Genji、The Wizard of Oz など
③英語ではない言葉 例:kendama、kendo、soba、Bon-odori など
ここでは③に絞って説明します。
③の例にもあるように、光村図書の英語では kendama や kendo、soba などの日本語を、アルファベットのイタリック体(斜めの文字)で表しています。いっぽうで、sushi や judo など、日本語のはずなのにイタリック体になっていないものもあります。
イタリック体になっているかどうかの違いは、その語が英語として認識されているかどうかで異なります。例えば、sushi は英語圏でも既に一般的に使われる言葉になっています。また judo も長くオリンピック正式種目として世界に知られている言葉です。
光村図書の英語教科書では、日本語由来の言葉であっても、規定の英英辞典に掲載されているかどうかを基準に、英語として一般的に認識されている語かどうかを判断しています。
ただし、小中学生が英語を手書きするときには、こういった語を斜めに書かなくても間違いではありません。パソコンが普及する前の時代は、英文タイプライターではイタリック体が出せないので、代わりにアンダーラインを引いたものです。
【監修】小泉 仁(光村図書『Here We Go!』編集委員)
Illustration: Mimei Umimachi