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年齢を表すときには「○歳」と「○才」のどちらを使うのでしょうか。

子どもと大人の「ことばQ&A」

2023年6月9日 更新

光村図書 校閲課

ふだん何気なく使っている言葉も、ちょっと立ち止まって考えてみたら、いろいろおもしろいところが見えてきます。
このコーナーでは、教科書の校閲を担当しているメンバーが、言葉をめぐるさまざまな疑問を取り上げて解説していきます。

年齢を表すときには「○歳」と「○才」のどちらを使うのでしょうか。

公用文や法令など、正式には「○歳」と書きます。
ただ、「歳」は中学校で学習する漢字であることや画数が多くて難しい字であることから、小学校低学年向けの読み物や日常生活などでは、「○才」と書かれることも多く見受けられます。

けれども、小学校の教科書では、「才」という漢字は使わず、「○さい」のように、平仮名を使っています。
「才」は、2年生で学習する漢字ですが、たとえ6年生の教材であっても、年齢を表す際には、「○○さい」という平仮名の表記を使っています。

実は、「才」は本来「才能」や「能力」といった意味をもつ漢字で、年齢という意味をもっていません。そのため、漢字がもつ本来の意味を重視して、年齢を表す「○さい」という場合には「才」を使用しないことを、原則にしているのです。中学校で「歳」という漢字を学習した後は、「○歳」 という漢字の表記を使って年齢を表しています。

Illustration:  Mimei Umimachi

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