「飛ぶ教室」のご紹介
2017年1月27日 更新
「飛ぶ教室」編集部 光村図書出版
児童文学の総合誌「飛ぶ教室」に関連した企画をご紹介していきます。
長崎訓子編集長に、スペシャルインタビュー!
特別編集長シリーズ第4弾「飛ぶ教室」48号が、ついに完成。編集長を務めてくださったイラストレーターの長崎訓子さんに、今回の編集についてうかがいました。
「飛ぶ教室」でやるからこそ意味のある、漫画特集
「飛ぶ教室」48号、ご覧になっていかがですか?
長崎 熱がありますよね。今回ご執筆いただいた方々は、強い作品を書ける方々なので、その熱でしょうか。
……私、1月20日が誕生日なんですよ。だから、誕生日プレゼントです、これ。今回、漫画で特集が組めたのは、自分にもらえたご褒美みたいに思います。
そう言っていただけると、こちらも嬉しいです。
今のお言葉にもありましたが、今回のテーマは「漫画」です。「漫画」は「飛ぶ教室」でも初めて取り上げましたが、そもそもイラストレーターである長崎さんが、今回「漫画」をテーマにと考えられたのは、どうしてでしょうか?
長崎 映画とか音楽とか、好きなものはたくさんあるんですが、自分の責任で何かやるんだったら、ある程度のことを把握していて、ちゃんと語れるもの、そして魅せられるものがいいと思ったんです。私にとってのそれは、仕事であるイラストレーションか、ずっと付き合ってきた漫画。そのふたつのうち、「飛ぶ教室」で、と考えたとき、まだ取り上げたことのないと編集部から聞いていた「漫画」のほうがいいだろうなと思いました。
それに、「飛ぶ教室」で漫画特集を組むこと自体、とても意味があると思ったんです。最近、アカデミックな場所で漫画をよく見かけます。そのことはいいことだと思うんですが、漫画の使い方が一辺倒だったりして首をかしげるものも多い。だから、「飛ぶ教室」というアカデミックな場に自分の提案をのせてみたい、と思いました。
なるほど。そんな今号で、長崎さんにとって印象的な出来事は、どんなことでしたか?
長崎 「依頼」です。普段は自分がオーダーされる側ですから、人に執筆をお願いするということが初めてで、すごく新鮮でしたね。依頼すると、つまり断られるということもあるわけで、それはかなりショックなんだと分かりました(笑)。自分も依頼されて断るときがありますが、返事の仕方をもっと考えようとか反省しましたね。たいへん貴重な経験でした。
特集名「漫画の子どもたち」の意味
依頼がいちばん印象深かったとは意外です。そういった一種緊張感のあるお願いをお引き受けいただいたみなさんは、「飛ぶ教室」に初登場ですね。
長崎 今回、「飛ぶ教室」という「子ども」や「児童文学」を扱う場での表現となったのですが、みなさんには、特集名の「漫画の子どもたち」に共鳴していただけたんじゃないかなと思います。
特集名は最初に、すうっと浮かんできたのですが、これが意味するものには迷いがありました。漫画の中に登場する子どもの意味か、漫画で育った子どもの意味か、と。でも、結果的に、そういうあたりを全部含めたものだというふうに落ち着いていきました。
それは、依頼したみなさんのおかげでもあるんです。「漫画の子どもたち」という意味を、変に縛ることなかったんです。特に漫画をお願いした方たちが、この言葉を自由にとらえ、発想してくださった。だから、今回のように軽やかなものになったんだと思います。意味ばかりを気にして頼んでいたら、つまらないものになっていたかもしれません。
特集名にこめられた思いは、編集後記(本誌p95)でも語られていますね。
この特集は、どんな方に読んでいただきたいですか?
長崎 漫画好きの人は、このラインナップを見ただけで感じ取ってもらえるものがあると思います。また、あまり漫画を読んだことない人にも、ぜひ読んでほしいですね。それで、何かを感じてもらえるといいかなと思います。
ちょっと偉そうな言い方になりますが、今回登場していただいた漫画家さんはじめ執筆陣は、問題提起のできる方々です。なので、そういう意味で、違和感をもたれる方やびっくりされる方もいるかもしれません。
自分の中の漫画観が崩れる方もいらっしゃるかもしれませんね、いい意味で。
長崎 悪い意味でも(笑)。でも、それはそれでもいいと思っています。
ただ、ひとつだけこの本で反省点が……。
何でしょうか?
長崎 編集長である私が出過ぎていることです。でも、それは不可抗力なんです~。編集部側の強い要望で(笑)。自分の漫画の本棚も、誌上で初めて公開してしまって、編集部に乗せられちゃったなという感じです!(笑)
(笑)。では、長崎編集長、最後に一言お願いします。
長崎 次回があれば、またぜひ! 漫画家さんたちに、次にまたこんな機会があったら描きたいと思ってもらえるといいな。
読者のみなさんの反応も楽しみですね。ありがとうございました。
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