みつむら web magazine

Q1. 大規模校ということもあって、いつの間にか蔵書数が増えてしまいました。増えてしまった蔵書を整理したいのですが、どこから手をつけたらいいでしょうか。(その1)

読書Q&A 学校図書館(理論編)

2015年1月1日 更新

赤木かん子 児童文学評論家

大規模校ということもあって、いつの間にか蔵書数が増えてしまいました。増えてしまった蔵書を整理したいのですが、どこから手をつけたらいいでしょうか。(その1)

A(回答)

そちらの事情がわからないので、難しい質問ですが、とりあえずはそちらの“郷土”のもの(図書館や博物館では、そこで扱うものをすべて“資料”といいます。このことばは覚えてね)をあらいざらい抜いてください。“県”“市町村”の作家、樹木、建築、歴史、詩集、見つかるだけ。そうしてそれはカウンターの後ろとか準備室とか置き場所を作って保管します。なぜなら、ローカルな情報になればなるほど、その地域の図書館、学校図書館、地域センターしか持っていないからです。国立国会図書館だって、その学校について問い合わせがあれば、その学校に問い合わせてくるものだからです。ですから、郷土資料は捨てられません。

ただ、同じものが40冊もあるならば、3冊残してあとはきっちり何かでくるんで保管するか、場合によっては配ってもいいでしょう。そうして郷土の何が足りないかを考えます。郷土資料は本になっていないことが多く、神社仏閣、個人経営の観光牧場、地域の名物を作っている個人商店などのパンフレット、図書館や文化会館主催のコンサートや講演会のチラシなど、足で集めてファイルしなければならないものがほとんどなので、努力しないと集まってきません。そういう資料は、安いのがありがたいところですが。郷土資料の中も、おおざっぱに分類して使えるようにします。

もちろん、ここは継続が必要です。

赤木かん子

児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。

赤木かん子公式ウェブサイト

関連記事

記事を探す

カテゴリ別

学校区分

教科別

対象

特集