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新学期 1年生 お悩み 入学

わくわくどきどき、心躍らせながら学校に通い始めた1年生。学校生活に慣れない1学期には、心配になったり不安になったりされる保護者の方も多いのではないでしょうか。長年、光村図書の小学校1年生の教科書編集に協力してくださっている吉村あかね先生(神奈川県川崎市立富士見台小学校教頭)に保護者のお悩みにお答えいただきました。

Q1
翌日の準備はどこまで手伝えばよいのでしょうか。

初めは、一人で準備をすることが難しいお子さんも多いかと思います。1年生は、忘れ物をすると、その日のモチベーションがとても下がってしまうので、慣れるまでは、おうちの人がいっしょに次の日の荷物を揃えてあげるといいですね。最初のうちは時間がかかると思いますが、そのうち必ず短くなります。

――忘れ物が心配になり、「これは入れたの?あれは?」とついつい口うるさくなってしまいます。

明日の準備をするときに、いちばん大切にしていただきたいのは、次の日が楽しみになるような時間にすることです。「明日、国語があるね。楽しみだね。」「算数はどんなことを習っているの?」など声かけをして、親子の会話ができる時間になるといいですね。

――教科書は入れたけれどノートを忘れるというように、いつも何か一つ入れ忘れてしまいます。

100円ショップなどで売っているチャックのついた袋を用意して、国語セット、算数セットと分けておくのも一つの手です。教科ごとにまとめておくと、何かを入れ忘れることを防ぐことができます。

――ランドセルの中に、いろいろなプリントがたまっているときがあります。

おうちに、帰ってすぐに紙類を入れられる箱を用意しておくと便利です。帰ってきたら、プリントも学校からのお手紙も仕分けせずに、まずそこに入れるようにすると、お互いのストレスがなくなりますね。

――毎日使うもの(ふきん ハンカチ ちり紙)を忘れやすいです。

毎日使うものを入れる箱を用意し、その中に入っているものはチェックしてランドセルに入れるというきまりをつくるという方法もあります。ちり紙がなくなっていたら新しいものを入れる、一度使ったふきんが入っていたら新しいものと交換するなど、子どもがだんだんと自分でできるようになるといいですね。

――体操着など、学校から持ち帰るべきものを学校に忘れてきてしまいます。

持ち帰るものがある曜日には、ランドセルの内側に、「たいそうぎ」「うわばき」などと書いたカードを入れたり貼ったりしておく方法もあります。そうすると、子どもが帰りの準備のときに、持ち帰るものを自分で確認することができます。

Q2
平仮名がなかなか上手にならず、教えようとすると練習を嫌がるようになってしまいました。

無理に練習の量を増やすと、ますます嫌いになり、悪循環に陥ることがあります。書くことに興味がもてないお子さんには、まずは、平仮名を教えるというよりも、「文字で伝えることは楽しい」ということを味わわせてあげるようにするとよいと思います。すてきな便箋でおうちの人とお手紙交換をする、好きなアニメのキャラクターの絵と名前をカードに書いてみるなど、お子さんが好きなことを文字に書く機会をつくってみてください。そして、お子さんが何かを書いたときは、文字の形を指導しようとせず褒めてあげてください。

まずは、文字を書くことが楽しくなるようにする。そのうち、あらたまったお手紙を書くときは、おうちの人の見本を見て書いてみる、学校の平仮名帳だけは丁寧に書く約束にするなど、少ない量を丁寧に取り組む時間を設けるのがよいと思います。

――平仮名に比べて片仮名を習うスピードが速く苦労しているようです。

片仮名の練習では、お子さんの好きなキャラクターや恐竜、動物などの図鑑を拡大コピーしてあげて、文字をなぞって色を塗るなど、自分だけの図鑑を作ると、楽しく文字を書くことができます。

――練習をがんばっているのですが、なかなかうまく書けないようです。

鉛筆の持ち方に癖があるなど、書きづらそうにしているお子さんは、柔らかい芯や太い鉛筆に変えると、ぐっと字がきれいになることもあります。鉛筆を渡すときには、「字がきれいになる特別な鉛筆だよ。でもゆっくり書かないと効果が出ないんだよ。」などと暗示にかけて渡してあげると、一生懸命書いてくれるでしょう。

――どんなときに褒めてあげるとよいでしょうか。

きちんと丁寧に取り組んだら褒める、楽しんで自発的にチャレンジしたら褒めるなど、子どもの伸ばしたい姿を褒めるようにするとよいでしょう。1年生の最初は、決められた課題を正しい姿勢、正しい持ち方で、丁寧に取り組む習慣をつけられるとよいですね。

――鏡文字(左右が反転した文字)は直りますか?

鏡文字は直りますので、安心してください。おうちでも、鏡文字を書いた場合は、その場で「逆だよ」と教えてあげて、自分で直すチャンスをあげるとよいでしょう。

――練習のときは丁寧に書いているのですが、連絡帳は雑に書いてしまい、読めないような字になっています。

自分で聞いたことを落とさずに書き、次の日の準備に役立てることはとても大切なことです。たとえタブレット等をとおしてすでに連絡事項がわかっていたとしても、「あなたの連絡帳が頼りだから、がんばって書いてきてね」と伝えましょう。

乱れて読めない字は、子どもに読んでもらいましょう。そこで子ども自身も読めなかった場合は、「次からは丁寧に書いてきてね」と約束させるとよいと思います。その際、「行からはみ出さないように書くといいよ」など具体的にアドバイスすると、丁寧に書けるようになることが多いです。

Q3
きちんと挨拶をするようにいつも伝えているのですが、なかなかできるようになりません。

まずおうちでできることは、おうちの方が挨拶をする場面をたくさん見せることです。友達、近所の人、お店屋さん、学校の先生と、いろいろな場面で挨拶をする場面を見せてあげてください。また、おうちの中でのあいさつも大事にするといいですね。朝起きたらおうちの人に「おはよう」と言う、「ありがとう」「どういたしまして」と伝え合うなど、まずおうちの中で挨拶をする習慣をつけましょう。

Q4
音読の宿題はどのような観点で聞いてあげるとよいでしょうか。

今、コロナ禍で学校ではなかなか声が出せないこともあり、おうちで音読をすることはますます重要だと感じています。最初のうちは、おうちの人もいっしょに読んであげて抑揚の練習などをするとよいでしょう。一文のまとまりを意識して読めるといいですね。

読む前に、「読み終わったときに、だれが出てくるか教えてね」「好きなところを教えてね」など、質問をしてあげると、内容を理解しながら読むことができます。おうちの方の時間がある場合は、交代で役割読みをするなどしても楽しいですね。

Q5
算数に苦手意識がでてきたようです。家庭ではどのようなことをすればよいですか。

例えば、足し算の繰り上がりで苦手意識をもっているのであれば、繰り上がりの計算の一つ前の段階に戻ってみてください。「ここまではできる」「ここまでは大丈夫」という自信をもって、次の段階に挑戦するとよいでしょう。

また、生活の中で、算数が役に立つ場面を伝えられるといいですね。お買い物のときに野菜の数をかぞえたり、計算してもらったりするなど、いろいろな場面で算数を使ってみましょう。

――引き算の文章題でつまずいています。うまく教える方法はありますか。

文章題では、「ちがいはいくつ?」といった言葉と式が結びつくことが大切ですが、1年生にとって数はとても抽象的なものです。算数ブロックなど具体物を使っていっしょに考えてあげるとよいと思います。

Q6
タブレットとの付き合い方を教えてください。

最初におうちでのルールを作りましょう。「8時になったらおうちの人に渡す」「リビング以外で使わない」「30分使ったらやめる」など、おうちの方針にあわせて、最初に子どもとルールを決めます。使用する時間と場所をきっちりと決めておくと、後で困ることが少なくなります。

子どもも保護者も、初めてのことが多くて大変ですが、この時期ならではの楽しさを大切にしていきたいですね。たとえば、おうちで次のような活動に取り組むのも楽しいでしょう。

  • 好きなものの言葉を集め、それに絵をつけて、好きなもの図鑑をつくる。
  • お手伝い通帳などを作って、シールやはんこを貯めていく。
  • 好きな詩を選んで読み、書き写して、カレンダーをつくる。
  • 日記や計算など、取り組んだことを一年間残していく。

このようなことを通して、子どもに達成感を味わわせ、成長を一緒に喜べるといいですね。

Illustration:ごや

吉村あかね(よしむら・あかね)

神奈川県川崎市立富士見台小学校教頭。長年、光村図書小学校「国語」教科書の1年生の教材づくりに携わる。