みつむら web magazine

別置コーナーの作り方

飾りつけ

2015年1月1日 更新

赤木かん子 児童文学評論家

学校図書館に必要なものは何か、どうやって作ればよいのか、壊れた本をどうやって修理すればよいのかなど、実際の写真を示しながらご紹介します。

今回は、別置コーナーを紹介します。9月の新学期に備えて、東京都杉並区立和田中学校の図書館の入り口に、“お月見”をテーマにしたコーナーを作ってみました。

“お月見”の立体ポスターを飾り、「月」の本を数冊、そうして月見だんごを飾りました。まだすすきは見かけませんが、出てきたらとってきて飾るといいでしょう。ポスターはキット、だんごは特注です。

この図書館は、はじめからこの展示スペースがついていたので、毎月なんとか使いこなさなくてはなりません。でないとみっともないからね。「ぶたぶた兄弟」はこの図書館のマスコット。ぬいぐるみは中学・高校の図書館でも大人気!ですが、ゲームセンターからとってきたようなものや、小さいものは飾らないでください。あればいいってものではないです。

子どもたちはビジュアルに敏感なので飾りつけを替えればめざとく見つけ、展示してある本を眺めたり借りていったりしてくれます。用意するのは面倒でもありますが、テーマで本を探すと棚のチェックにもなります。ただし、くれぐれも飾りつけにはまらないように。

4冊

置いてある本は次の4冊です。
『宇宙たんけんたい2 月』 小峰書店
『小学館の図鑑NEO 星と星座』 小学館
『星の使者 —ガリレオ・ガリレイ—』ピーター・シス 文・絵/原田 勝 訳/徳間書店
『月光浴』 石川賢治 撮影/小学館

お月見のポスター

この“お月見のポスター”を作りたい方は、下記を参照してください。


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写真1

まずデザインカッターを用意してください。 文字を切り抜くのには普通のカッターではなく、これが便利です。(500円くらいです)このカッターは丸くカットできるので、仕事道具として一本持っていたほうがいいでしょう。それからペーパーセメントも用意しましょう。これは紙用のボンドで、いったんはってもまたはがせます。紙細工をするときにはあると便利です。水分の多いヤマトのり系は紙細工には向きませんので、普通のボンドも用意しておくといいです。

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写真2

「おつきみ」のパネルサインを作ります。青い紙の上に型紙を乗せ、ホッチキスなどで止めます。カッターマットの上で切りますが、そのときは、カッターを動かすのではなく、紙のほうを動かすのがコツです。

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写真3

そのときに、「お」と「み」の中のしずくの形の紙をなくさないようにしてください。

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写真4

文字を切り抜きおわったら、後ろから黄色の紙をはり、その後ろから白い紙をはって、さっきのしずくをはって完成です。

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写真5

このやり方を覚えておくと、図書館の中の、いろいろなサインを作れるようになりますよ。

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写真6

各部の部品を作ります。型紙を各紙にホッチキスで止めてはさみで切り取ります。

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写真7

おだんごを乗せる台、三方(さんぽう)を作ります。折らなくてはいけない部分は、ボールペンなどのようなもので、一度型紙の上から折り線をなぞっておいてください。そうすると折りやすくなります。

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写真8

これは、おだんごの型紙です。

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写真9

裏を少し重ねて立体感を出すのがポイントです。

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写真10

ペーパーセメントでおだんごのあしをはり合わせ、立体的にします。このときに、おだんごがとんがりすぎたり平べったすぎたりするときれいに見えないので、一度ペーパーセメントではってみて、具合を試してみるのです。

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写真11

すすきは、全部切り抜く前に「穂」の部分にはさみを入れておくのがポイントです。

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写真12

すすきの茎の先にボンドをつけ、穂をつけてくるくると巻きます。

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写真13

左端の岩をはります。右の岩は下だけはって、上はあけておきます。葉っぱは全部べたっとのりをつけないで、上の方は紙にはらないでおきます。指で軽くしごくと、風にゆらいでいるように見えます。のり系のものを使うときには、一度小さなお皿か紙の上に出して、ようじの先にちょっとつけて使うのがコツです。

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写真14

三方の台をこのように立体的にはります。

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写真15

10のおだんごをはります。

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写真16

月とうさぎをはって、最後にくるりと草の葉っぱをしごいて完成です。

赤木かん子

児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。

赤木かん子公式ウェブサイト

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