
読書Q&A 学校図書館(理論編)
2015年1月1日 更新
赤木かん子 児童文学評論家
どうすれば子どもたちが集まる図書館になるのでしょう。本のそろえ方や整理のしかたなど、学校図書館の作り方や運営方法に関する悩みにお答えします。
A(回答)
さて、いよいよ自然科学の棚です。そうしてここをきっちり作ってしまえば、小学校図書館はできたも同然! 自然科学が基本なのです。なのに図書館担当は文学好きが多く、科学は苦手な方が圧倒的……。でも一度しっかりやれば大丈夫。覚えるぞ!と思って読んでね。
まず、NDCで自然科学は“4”です。これは4番目ではなく、言葉を数字に置き換えた暗号です。そうして、NDCはものごとを10個ずつに分けていくやり方で、まずは世界全体を10個に分けました。そのうちの一つが“自然科学”で、それを数字に置き換えたのが“4”です。そうして、自然科学だけでは範囲が広すぎますから、それをまた、10個に分けていくと、41、42、43、44、45、46、47、48、49となるわけです。
この41は数学ですが、“よんじゅういち”ではなく、“よんいち”と読みます。41番目ではなく、
4(よん) 自然科学
の中の、
1(いち) 数学
という意味だからです。
今月はこの前半、
41 数学(小学校は算数)
42 物理
43 化学
44 天文学
45 地学
というところまで覚えてください。
並びとしては順当だと思うでしょう? ただ、小・中学校はまだ物理と化学は分かれていませんから、まとめて(理科)とでもいうしかないわけで、もうここで、全部2桁で分類しましょうなんてのは無理だというのがわかるわけです。ちなみに物理は光やエネルギー、化学は分子構造なんかだよ。
自然科学の言語は数字です。だから、まず数学がきて、世界すべてに漂っている物理と化学の次は上を見上げて宇宙、そうして下を見て地球、地学というわけです。
赤木かん子
児童文学評論家。長野県松本市生まれ。1984年に、子どものころに読んでタイトルや作者名を忘れてしまった本を探し出す「本の探偵」として本の世界にデビュー。以来、子どもの本や文化の紹介、ミステリーの紹介、書評などで活躍している。主な著書に『読書力アップ!学校図書館のつくり方』(光村図書)などがある。