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教科書の言葉 Q&A 第9回

教科書の言葉 Q&A

2015年10月28日 更新

教科書編集部 光村図書出版

教科書にまつわる言葉へのさまざまな疑問について、編集部がお答えします。

第9回 「器」と「機」の使い分けは?

Q:「消火器」「信号機」のように、「器」と「機」の漢字が使い分けられていますが、
どのように区別して使えばいいのでしょう。

辞書を調べると、「器」と「機」の意味は、次のように示されています。

「器」……うつわ。いれもの。道具。
「機」……からくり。しかけ。組み立ててできた道具。

こうしたことから、「器」は比較的単純な原理で変化を起こすもの、「機」は細かい細工を施して動くようにしたものと、意味の上から区別することができます。どちらの漢字を使うかは、こうした意味の違いからくるものと考えてください。

光村図書平成27年度版小学校『国語』教科書には、「器」を使うものとして「食器」「楽器」「核兵器」「補聴器」、「機」を使うものとして「ゲーム機」「せんたく(洗濯)機」「電話機」「飛行機」「風力発電機」などが出てきます。
この他、一般的によく使われる語として、次のようなものがあります。

◇「器」を使うもの
温水器・計量器・検温器・受話器・消火器・電熱器・変圧器・歩行器

◇「機」を使うもの
印刷機・映写機・耕運機・自動販売機・写真機・受信機・扇風機・掃除機

「器」は小さいもの、「機」は大きいものという区別のしかたもあるようですが、これらの例を見ると、単なる大小だけではなく、意味の違いから使い分けられていることがわかります。
例えば、「でんわき」は「電話機」と書きますが、その一部である「受話器」を漢字で表すときは「器」を使います。同じ「電話機」の中でも、その本体と、より構造の単純な一部分によって、「器」と「機」が区別して使われているのです。

次回は、「追求」と「追究」の使い分けについてお答えします。

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